ども、料理好きの皆さん!トモキッチン(@tomo_kitchen883)です!今日も元気にお届けするのは、「食べる楽しさ×異世界ファンタジー」のちょっと不思議なレシピブログです!
突然ですが、もし見知らぬ森で目覚めてしまったら、どうしますか?危険な獣?謎の遺跡?……いや、まずはお腹が空きますよね!!(笑)
今回は、そんな異世界の森で偶然出会った食材を使って、驚きの料理を生み出す物語。主人公のサバイバルスキルと料理の知識を駆使して、一皿のサラダが思わぬ伝説を呼び起こします。さあ、幻想的な森の中での料理冒険へ、一緒に旅立ちましょう!
ふと目を覚ますと、そこは深く薄暗い森の中だった。木々は鬱蒼と生い茂り、わずかに漏れる月の光が黒い影を作る。どこからか不気味な獣の遠吠えが聞こえ、湿った土の匂いが鼻を突く。
「……まずいな。ここはどこなんだ?」
見覚えのない森に迷い込んだらしい。異世界に召喚されたのか、それともただの夢なのか。考えている余裕はなかった。とにかく、腹が減っている。
森を慎重に進むと、一際深い緑色の植物が群生しているのを見つけた。
「……ケール?」
手に取ると、確かに見覚えのある葉だ。だが、こちらの世界のものは少し大きく、葉脈が力強く張り巡らされている。試しにちぎって口に入れると、ほろ苦さの奥にわずかな甘みがある。
「……これなら食えるな」
さらに森を進むと、朽ちかけた倒木のそばにオレンジ色の根が突き出ていた。掘り出してみると、細長いにんじんだった。
「にんじんも見つかった……いい感じだ」
そのまま進むと、月明かりに照らされる開けた場所に、黄金色の粒が密集しているのが見えた。
「……とうもろこしまであるのか」
食材はそろった。次は味をまとめる調味料だ。
どこかから滴る水音を頼りに進むと、小さな泉があった。その傍らには、柑橘のような実が転がっている。割ると、鋭い酸味の香りが鼻を刺した。
「これは……酢の代わりになるな」
さらに泉のそばの木の幹から、琥珀色の樹液がゆっくりと滴り落ちていた。指ですくって舐めると、ほんのり甘い。
「蜂蜜のような甘み……ドレッシングに使えそうだ」
もう少し進むと、廃墟のような石の祠の前に黒い小さな種が散らばっていた。手に取って潰すと、香ばしい香りが漂う。
「いりごまだな……こんなものまであるとは」
醤油の代わりになりそうな黒い液体が湧く泉も見つけた。香りを嗅ぐと、少し塩気があり、熟成された風味がする。
「……これでいける」
彼は森の大きな葉をまな板代わりにし、ケールを細かく刻み、にんじんを千切りにし、とうもろこしの粒を丁寧に外した。
ドレッシングには、見つけた酢と蜂蜜の樹液、香ばしいいりごま、そして泉の黒い液体を混ぜ、オリーブオイルの代わりになりそうな油を果実から絞り出した。
深い森の中、静寂の中でそっと混ぜ合わせる。そして、一口……。
「……うまい」
ケールのほろ苦さに、にんじんとコーンの甘みが調和し、ドレッシングの酸味と香ばしさが絶妙なバランスを生み出している。
その瞬間、背後の茂みがガサリと揺れた。獣か? それとも何か別のものか? 彼が警戒する中、闇の中から現れたのは、朽ちたローブを纏う影だった。
「その……香り……久しく感じぬ味……」
低く響く声に、彼は反射的にケールサラダを差し出した。影はゆっくりと手を伸ばし、一口食べる。そして、驚いたように目を見開いた。
「……これは、懐かしき祝福の味……かつてこの森に生きた者たちの、最後の宴の味だ……」
影は静かに消えていったが、彼の手の中には、不思議な輝きを放つ黒い石が残されていた。
「……もしかして、この森にはまだ何か秘密があるのか?」
異世界の深き森で作られた“黄金のケールサラダ”は、ただの料理ではなかった。それは、失われた記憶を呼び覚ます一皿だったのかもしれない。
こうして、彼の異世界での旅は、深い森の謎とともに幕を開けた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!次回も美味しいレシピでお会いしましょう。それでは皆さん、本日もLet’s クッキング!